上場の法則
【緊急】M&Aが激変!のれん償却が不要に
政府の規制改革会議が、のれん償却を不要にする提言をまとめる方針を示しました。長年、日本企業のM&Aを阻んできた会計上の障壁が取り除かれようとしています。のれんとは何か、なぜこれが重要なのかを解説します。
のれんとは何か
A社がB社を10億円で買収し、B社の純資産がほぼゼロだった場合、差額の10億円が「のれん」として計上されます。日本の会計基準ではこれを20年以内に償却する必要がありますが、実務上は監査法人の判断で5年償却が一般的です。10億円を5年で償却すれば年間2億円の利益圧縮。買収先が年間3億円以上の利益を生まなければ赤字になる計算で、これがM&Aの大きなブレーキになっていました。
改正の内容:償却するかしないかを選択制に
今回の提言は、のれんの償却自体を選択制にするというもの。これはIFRS(国際会計基準)やUSGAAP(米国会計基準)と同じ扱いです。非償却を選択した場合は、年1回の減損テストで買収先の価値が毀損していないかを判定し、価値が下がれば一括で減損処理を行います。
メリット:M&Aの活性化
- 買収のハードルが下がる:のれん償却による利益圧縮がなくなり、M&Aの意思決定がしやすくなる
- スタートアップのエグジット多様化:IPOだけでなくM&Aによる売却が現実的な選択肢に
- 国際比較の容易化:のれん償却で営業利益が目減りしていた日本企業の収益が、国際基準で比較しやすくなる
リスクと課題
- 突然の大幅損失リスク:減損テストにより、予告なく巨額の損失が計上される可能性
- 高値掴みの懸念:償却負担がなくなることで、バリュエーションやデューデリジェンスが甘くなるリスク
- ガバナンスの課題:経営者が減損処理を先送りしたい動機が働く可能性があり、客観的な判定体制が求められる
課題はあるものの、M&Aが経営者のスキルの一つとして不可欠になる時代において、この改正は日本のスタートアップや上場企業にとって非常にポジティブなニュースです。
M&Aのれん償却会計基準IFRSスタートアップ
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