CATEGORY財務・会計

財務・会計

会計基準への対応、監査法人との連携、開示体制の構築、税務上の論点など、財務・会計面の準備事項を解説します。

01 · ABOUTこのカテゴリについて

財務・会計とは

IPO準備において、財務・会計領域の整備は最も時間を要し、かつ最も妥協が許されない領域です。上場申請にあたっては直前2期分(N-2期・N-1期)の監査済財務諸表が必須であり、この要件から逆算すると、遅くともN-3期前またはN-3期初にはショートレビューを受診し、監査法人との関係構築を開始しなければなりません。本カテゴリでは、会計基準への対応、監査法人との連携、開示体制の構築、税務上の論点など、上場準備における財務・会計面の準備事項を、経営戦略センター代表取締役 伊藤雅仁の実体験を交えて徹底解説します。

会計基準対応:J-GAAPとIFRSの選択と適用

IPO準備の起点となるのが会計基準への対応です。日本市場で上場を目指す企業の多くはJ-GAAP(日本基準)を採用しますが、グローバル展開を視野に入れる企業ではIFRS(国際財務報告基準)の任意適用も選択肢となります。いずれを選択する場合でも、収益認識基準、リース会計基準、金融商品会計基準、税効果会計、退職給付会計など、これまでの中小企業会計指針では求められなかった論点への対応が必要です。特に収益認識基準(ASBJ第29号)は実務上の負担が大きく、契約レビューから業務プロセスの再設計まで踏み込んだ対応が求められます。詳細は会計基準対応のページで解説しています。

監査対応:監査法人選定とショートレビュー

監査法人の選定は、IPO準備のタイムラインを大きく左右する意思決定です。選定にあたってはBIG4(四大監査法人)、準大手、中小監査法人から3社以上を比較し、自社の業種特性、上場予定市場、報酬水準、担当パートナーとの相性などを総合的に評価することが定石です。近年は大手監査法人がIPO案件を絞り込む傾向にあり、準大手・中小監査法人の活用も現実的な選択肢となっています。選定後はまずショートレビュー(予備調査)を受け、会計処理の論点、内部統制の課題、上場までに解消すべき事項を洗い出します。実務上は、ショートレビューで指摘された事項の改善に1年以上を要するケースも珍しくありません。監査対応のページで、監査法人との交渉実務まで踏み込んで解説しています。

開示体制:四半期決算と適時開示の実務

上場会社には四半期決算の早期開示と、適時開示規則に基づく情報開示が義務付けられます。上場後30日以内(四半期は45日以内)の決算短信開示を安定的に運用するためには、申請期(N期)までに開示体制を構築し、複数回の決算リハーサル(プレ決算)を実施しておく必要があります。具体的には、月次決算の早期化(翌月5営業日以内が目安)、連結決算プロセスの確立、開示資料作成体制の整備、内部統制報告制度(J-SOX)への対応などが論点となります。経理部門の人員体制、会計システムの選定、決算スケジュールの設計まで、上場準備のかなり早い段階から逆算した整備が不可欠です。開示体制のページで、四半期決算と適時開示の実務を詳述しています。

税務対応:上場準備期特有の論点

上場準備期には、平時には顕在化しない税務対応上の論点が数多く浮上します。代表的なものとして、ストックオプション(税制適格・非適格)の設計と税務処理、グループ内取引の移転価格、関連当事者取引の整理、繰延税金資産の回収可能性判断、組織再編税制の活用、消費税の課税区分の見直しなどが挙げられます。これらは監査対応とも密接に関連し、税務リスクの開示が必要となるケースもあります。創業オーナーの資産管理会社の取り扱いや、役員報酬の損金算入要件など、オーナー経営者特有の論点も丁寧な整理が求められます。税務対応のページで、IPO準備期特有の税務論点を解説しています。

02 · ARTICLESカテゴリ内記事

財務・会計記事一覧