独自調査レポート|2022-2026

新規上場(IPO)トレンド調査
2022年〜2026年

日本市場 383社の独自データ分析

業界初の独自分析として、383社全件の「創業から上場までの期間」を東証Outline PDFから抽出。創業から上場まで平均16.6年、中央値11年という結果が判明しました(後述セクション7参照)。

日本の証券取引所(主に東京証券取引所)における2022年1月〜2026年4月の新規上場 383のデータを、経営戦略センターが独自に集計・分析しました。本レポートでは、承認から上場までの実態期間市場区分別(プライム・スタンダード・グロース)の上場件数推移公募価格の分布年次・月次のトレンドを可視化しています。経営者・CFO・IPO関係者の意思決定にご活用ください。

📊 調査対象: 383📅 期間: 2022-01-042026-04-24👤 監修: 伊藤雅仁(経営戦略センター代表取締役)

※ 本レポートのデータ・グラフは出典明記の上、自由にご利用いただけます(CC BY 4.0)

📌 主な発見(Key Findings)

①創業から上場までの期間

グロース 中央値 11

383社の独自分析。グロース中央値11年(平均13.6年)/スタンダード中央値22年/全体平均16.6年。

②年次上場件数の減少

2022→2025年で -39%

2022年の107件から、2025年は65件に減少傾向が顕著。

③市場区分の主流

グロース市場 70%

グロース267件、スタンダード79件、プライム37

④公募価格の中央値

1,340

平均 1,476円、最低153円〜最高5,000

1. 承認から上場までの期間分析

証券取引所の上場承認から、実際の上場日(取引開始)までの日数を分析しました。平均 33.4日、中央値 35と、極めて短期間でロードショー・ブックビルディング・公募が完了していることが分かります。最短は7日、最長は44日でした。

日数レンジ件数構成比分布
20日以下102.6%
21-30日318.1%
31-40日33888.3%
41-50日41.0%
51日以上00.0%
経営戦略センターの考察:承認から上場までの期間が30〜40日に集中しているのは、ロードショー(機関投資家訪問)→ブックビルディング(需要積上げ)→公募価格決定→上場日という標準的なプロセスを各社がほぼ同じスケジュールでこなしているためです。 この間に経営者・CFOは10〜15社の機関投資家への訪問を行い、最後の1週間で公募価格が確定します。 詳細はロードショー・公募公募価格の決め方を参照ください。

2. 年次新規上場件数の推移

2022年から2026年(4月時点)の年次上場件数の推移です。2022年の107件をピークに、毎年減少傾向にあることが確認できます。これは2022年の市場区分再編後の調整、グローバル金融市場の変動、スタートアップの資金調達環境の変化などが背景にあると考えられます。

2022107
202399
202493
202565
202619

※2026年は4月までのデータ

3. 市場区分別の上場件数(プライム・スタンダード・グロース)

2022年4月の市場区分再編後、グロース市場が新規上場の中心であることが明確に確認できます。総計で 267件中69.7%がグロース市場上場です。スタートアップの主要なIPO選択肢として、グロース市場の重要性が増しています。

プライムスタンダードグロース合計
202291781107
20238236899
20247196793
20258144365
202656819
合計3779267383
経営戦略センターの考察:グロース市場優位の傾向は、市場区分再編によるグロース市場の上場基準の柔軟化(時価総額5億円以上)や、スタートアップ・スケールアップ志向の経営者の増加が背景です。 プライム上場は依然として年7〜9件のレンジで推移しており、大企業による上場は減少傾向。逆にM&Aによる非公開化(ラクスルMBO等)が増えています。 市場選びは市場の選び方を参照。

4. 月次新規上場件数の推移(直近24ヶ月)

月次の上場件数は、3月(年度末駆け込み)と12月(年末上場)にピークがあります。これは決算期や事業計画タイミング、機関投資家の運用方針との関係から自然な傾向です。

2024-025
2024-0317
2024-049
2024-051
2024-0612
2024-078
2024-081
2024-096
2024-1013
2024-114
2024-1217
2025-024
2025-0311
2025-043
2025-067
2025-073
2025-081
2025-094
2025-1011
2025-114
2025-1217
2026-023
2026-033
2026-0413

5. 公募価格の分布分析

新規上場時の公募価格は、1,000〜2,000円のレンジが最も多く(50.4%)、中央値は1,340でした。日本のIPO市場では、投資家の購入しやすさを考慮した公募価格設定が一般的です。

価格レンジ件数構成比分布
500円未満298.6%
500-999円7422.0%
1,000-1,999円17050.4%
2,000-4,999円6318.7%
5,000円以上10.3%

平均

1,476

中央値

1,340

レンジ

1535,000

⭐ 業界初の独自データ

7. 創業から上場まで何年か(383社の実データ分析)

経営戦略センターは、東京証券取引所が公開している「新規上場会社概要(Outline PDF)」から、383社全件の設立年月日を独自に抽出。創業から上場までに何年かかったのかを分析しました。これは経営者・起業家にとって最も知りたい統計の1つでありながら、これまで体系的にまとめられた公開データはほぼ存在しません。

平均

16.6

中央値

11

レンジ

0106

分布(社数)

創業からの年数件数構成比分布
0-4年6416.7%
5-9年10026.1%
10-14年6918.0%
15-19年4612.0%
20-29年4712.3%
30-49年338.6%
50年以上246.3%

市場区分別の比較

市場サンプル平均中央値
プライム3711.50
スタンダード792922
グロース26713.611
経営戦略センターの考察:
  • グロース市場の中央値11年:スタートアップが「IPOまで概ね10年強」というのは現実的な目安。創業から急速にスケールしたスタートアップでも、実際には10年前後の準備期間を要しているのが実態。
  • プライム市場の中央値0年:これはホールディングス再編による「テクニカル上場」を反映。既存大企業がHD化のために新設した持株会社をプライム市場上場するケースが多く、形式上は新設法人が即上場。
  • スタンダード市場の中央値22年:老舗の中堅企業が体制を整えて上場するケースが多い。創業後20年以上をかけてじっくり業績を積み上げた企業の選択肢。
  • 0-4年での上場16.7%:HD再編+一部の超急成長スタートアップの組み合わせ。
  • 50年以上が6.3%:老舗企業の上場(梅乃宿酒造(76年)、東京一番フーズなど)。事業承継・資金調達の選択肢としてIPOが活用されている。

最も短期間で上場した5社

  • GMSグループ(株) *0(プライム)
  • (株)トランヴィア *0(プライム)
  • MIRAINIホールディングス(株) *0(プライム)
  • ムニノバホールディングス(株) *0(プライム)
  • (株)インテリックスホールディングス *0(スタンダード)

最も歴史のある上場企業5社

  • 美濃窯業(株)106(スタンダード)
  • (株)ライオン事務器104(スタンダード)
  • 梅乃宿酒造(株)76(スタンダード)
  • 大石産業(株)75(グロース)
  • シマダヤ(株)75(スタンダード)
※ 創業日は東京証券取引所「新規上場会社概要」(Outline PDF)に記載された設立年月日を使用。ホールディングス再編による新設法人の上場時は設立日が新法人の設立日となるため、実質的な事業歴とは異なる場合があります。

💡 経営者・CFOへのインプリケーション

  1. 上場準備は3〜5年の長期戦:承認→上場は約33日と短いが、その前に2〜3年の内部統制構築監査対応が必要。
  2. グロース市場が現実的な選択肢:新規上場の70%がグロース市場。グロース市場の上場基準を理解した上で、必要なら市場の選び方で検討。
  3. 2022年以降の減少傾向に注目:市場環境の変動を見極め、IPOとM&Aの比較も含めたExit戦略を検討すべき。
  4. 公募価格は1,000〜2,000円が標準:適切な公募価格設定にはバリュエーションの理解が必要。バリュエーション簡易診断で試算可能。
  5. 3月・12月の上場ピークを意識:主幹事証券会社・監査法人のリソースは年度末・年末に集中。主幹事証券会社の選定は早期に。

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📋 調査方法・データの出典

  • データソース:東京証券取引所の新規上場銘柄一覧(2022-01-042026-04-24)から、自動収集した383社のデータ
  • 収集項目:会社名、上場日、承認日、市場区分、公募価格、株式コード、取引所
  • 分析対象:すでに上場済みの全銘柄(上場予定・申請中は除外)
  • 更新頻度:毎日(最新データは新規上場リストで確認可能)
  • 制限事項:本データには企業の創業日・業種データが含まれないため、創業から上場までの「準備期間」は別途各社の有価証券報告書(Iの部)から確認する必要があります

📰 メディア・研究者の方へ

本レポートのデータ・グラフ・考察は、出典明記の上で自由にご利用いただけます(CC BY 4.0)。記事執筆・取材・調査資料への引用に際して、ご相談がございましたら経営戦略センターまでお問い合わせください。

引用例:「経営戦略センター調べ「新規上場(IPO)トレンド調査 2022-2026」より」

出典URL: https://ipo-roadmap.jp/research/ipo-trends-2022-2026/

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