なぜ、タクシーアプリ「GO」は上場できるのか?
タクシー配車アプリ「GO」がついに上場へ。海外ではUberのようなライドシェアが主流の中、なぜ日本ではタクシー配車アプリという形で成功したのか。その背景にある規制業界への参入戦略を解説します。
GOの成り立ち:レガシーとITの融合
GOは、タクシー業界の最大手・日本交通が運営していた「JapanTaxi」と、DeNAが手がけていた「MOV」が合併して誕生しました。タクシー業界のレガシー企業とIT企業が対等に組んだことが、成功の大きなポイントです。
規制業界への3つの参入パターン
動画では、規制の強い業界に新規サービスが参入する方法として3つのパターンが紹介されています。
- Airbnb型:先にサービスが広がり、後から規制が整備されたパターン。日本でも民泊新法により一定のルールが整った
- Luup型:電動キックボードという新しいモビリティを、ロビイングや実証実験を通じて新しいルールごと作り上げたパターン
- GO型:レガシー業界と組んで新しいサービスを作ったパターン。AbemaTVがテレビ朝日とサイバーエージェントのJVで生まれた事例にも似ている
日本においては、3番目の「レガシー企業と組む」やり方が特に有効だと指摘されています。
なぜUber型ライドシェアは日本で普及しなかったのか
タクシー業界は台数制限や料金規制など、強い規制に守られてきた業界です。その背景には「交通経済学」の視点があります。完全な自由競争にすると、採算の取れる地域にしかタクシーが残らず、地方の交通インフラが崩壊するリスクがあるのです。
鉄道や電力と同様に、タクシーにも公共性があり、単純な市場原理だけでは解決できない問題を抱えています。東京の中心部だけで考えれば自由競争が便利ですが、国全体で見れば生活インフラとしての適度な規制が必要です。
スタートアップが学ぶべきこと
公共性の高い事業領域にスタートアップが参入する難しさは、単に既存業界の既得権益だけではなく、経済的・社会的にディスラプトしない方がよい領域もあるという点にあります。GOの事例は、規制業界においてレガシー企業と組んで新しい価値を作る戦略が、日本では有効な参入方法であることを示しています。
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