1,000億円を融資!りそな銀行のベンチャー融資枠が大幅拡大!
りそな銀行が2028年までにベンチャー向け融資枠を1,000億円に拡大する方針を打ち出しました。2023年に総額100億円で開始したベンチャーデット枠はすでに20社に60億円を融資しており、2025年度中に100億円に到達する見込みです。メガバンクに次ぐ金融グループであるりそなの大胆な戦略と、拡大するベンチャーデット市場の動向を解説します。
りそな銀行のベンチャーデット枠が10倍の1,000億円へ
りそな銀行は2023年にベンチャーデット専用の融資枠として総額100億円を設定し、スタートアップへの融資を開始しました。現時点で20社に対して約60億円を融資しており、1社あたり平均3億円程度の規模です。創業初期のスタートアップが中心とされていますが、実際にはミドルステージなどステージが分散している可能性もあります。この実績とノウハウの蓄積を踏まえ、2028年までに融資枠を10倍の1,000億円まで拡大する計画です。
ベンチャーデットの仕組み:デットとエクイティの中間「メザニン」
ベンチャーデットとは、銀行融資(デット)に新株予約権(ワラント)を組み合わせたスキームです。赤字や先行投資期にあるスタートアップに対し、通常より高い金利で融資を行い、加えて新株予約権を取得します。企業側にとってはエクイティ調達のように株式の希薄化を起こさずに資金を得られるメリットがあり、銀行側は高金利による収益と、IPO成功時のワラント行使による追加リターンでトータルの利回りを高める構造です。デットとエクイティの中間に位置することから「メザニンファイナンス」とも呼ばれます。
ワラントの役割とリスクヘッジの実態
新株予約権は付与時点の株価で算定されるため、将来的に企業がIPOを果たして株価が上昇すれば、銀行はその差額分のリターンを得ることができます。一方、融資先が返済不能に陥った場合にエクイティへ転換しても、事業がうまくいっていなければ株式の価値自体が低いため、実質的に転換するインセンティブは低くなります。そのため、ワラントは「抜かずの宝刀」的な側面が強く、トータルのリターン向上を目的とした仕組みとして機能しています。
メガバンクや政府系金融機関も参入するベンチャーデット市場
ベンチャーデット市場は2023年時点で約1,800億円規模とされ、2027年には1兆7,800億円への拡大が見込まれています。三井住友銀行は新株予約権付きシンジケートローンを展開し、みずほ銀行はアップサイダーとのファンド2号を計画中です。SBI新生銀行や東京スター銀行、商工中金など政府系金融機関もスタートアップ融資を積極化しています。本格的な融資拡大にはミドルステージ以降の企業が中心となり、事業計画に基づくデューデリジェンスが重要です。
スタートアップが融資を引き出すために必要なこと
ベンチャーデットの活用を検討するスタートアップにとって重要なのは、銀行との交渉に耐えうる事業計画の策定です。単に目の前の資金調達ニーズを満たすだけでなく、全体のファイナンス方針と事業計画を関連づけた戦略的なアプローチが求められます。エクイティとデットのバランスをどう取るか、このタイミングで調達すべきかといった判断は、経営戦略全体の中で検討する必要があります。
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